援助者と患者との関係
臨床で働く医療従事者は患者がいる事で成り立つ職種であり、そこの関係はきっても切り離せません。
また自宅などで家族の介護を行っている援助者も同様です。
治療のため、
退院のため、
患者(家族)のニーズを叶えるため、
日々あれこれ考え提案するけど
患者(家族)が言うことを聞いてくれない!!
そんな経験は多いのではないでしょうか。
援助者が抱えるストレス
担当患者(家族)は糖尿病を患い、糖質の制限があるのに…動脈硬化があり、塩分制限があるのに食事に気をつけてくれない…
大腿骨頭置換術を行い、禁忌肢位があるのに聞いてくれない…
「今はここにいて」と言っても動いてしまう方…
患者様の事を考えて支援しているのに、なんで聞いてくれないの?と感じている人も多いと思います。
そもそもストレスの原因として、理想と現実のギャップが影響していると考えます。

周りが見える人ほどストレスを感じる
疾患に対する知識を知れば知るほど、
”病気を治すためにはこうすべき”
”再発防止のためにはこれが必要”など
周りが見える人ほど何をすべきなのかが見えています。
それ故に担当患者(家族)が聞いてくれないことによりギャップを感じ、
さらにそのギャップが大きければ大きいほど苦しみを感じています。
そんな時は一度立ち止まり確認してみてください。
”これは自分でコントロールできる課題だろうか?”
患者(家族)の行動の選択は援助者は選択出来ない
以前、7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著)の中に説明されている、影響の輪と関心の輪についての記事を書きましたが、
理学療法士、作業療法士、看護師、ご家族もこれを意識することで不安を整理できるかもしれません。
影響の輪とは自分で選択し、影響を及ぼすことのできる範囲、自分でコントロールできる範囲のこと。
関心の輪とは自分では影響を与えられない範囲、自分でコントロール出来ない範囲のことを言います。
患者がルールを守らないことに苛立ちを感じている場合、
患者(家族)の選択(結果)を援助者でコントロールしようとしまっているのかもしれません。
もちろん患者(家族)の健康という結果を求めて支援しているのですが、
糖尿病であっても動脈硬化があっても認知症があっても、行動を選択するは患者(家族)であり、
援助者が患者(家族)の行動を選択することはできません。。
援助者が選択できるのは”どう援助しようか”という行動の選択のみです。
糖質制限をも守るも、守らないも、
塩分制限を守るも、守らないも、
禁忌肢位を守るも、守らないも、
徘徊するもしないも、
それを決めるのは患者自身です。
援助者がコントロールが出来ない”患者(家族)の行動選択”にエネルギーを使うのは非常に疲れます。
患者(家族)に対し援助者として”どう行動するか”は選択できる
ではどこにエネルギーを注げばよいのでしょうか。
それは”援助者が主体的に行動できる範囲のこと”にエネルギーを注ぐ事です。
むしろ援助者にできることはここしかありません。
糖尿病を患い、糖質の制限があったり、動脈硬化があり、塩分制限がある患者を支援するならば、
栄養士と協力して具体的な糖質制限や塩分制限があっても美味しい料理を提案してみる、
糖質、塩分の過剰摂取のリスクを改めて伝える、
大腿骨頭置換術を行い、禁忌肢位を守れない患者には絵をや写真で説明してみる、
禁忌肢位になりにくい環境を提案する、
言っても言っても徘徊する認知症の方へは徘徊の理由を探り、患者の背景を知り、その人にあった作業活動を提案し、役割をもってもらうように働きかけるなど
これらは援助者なら当たり前の事であり、
もうすでにやっていると感じている人がほとんどかもしれませんが、
援助者として影響が及ぼすことができるのはどこまでか境界線に気がついていない人も多くいます。
援助者が主体的に行動を選択できること。
そして援助者では選択困難な事を意識し、援助していくことで
もしかすると以前より心が楽に、そして優しくなれるかもしれません。



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